北風ブログ-733

2023/2/13 更新

評価−2

KPI（Key Performance Indicator、重要業績評価指標）を組織に取り入れるメリットは、「組織の活動過程（プロセス）を上手に管理できるようになる」ことです。具体的には
途中の経過をチェックできる。毎年の決算の結果を待たなくても目標値に近づいているのかがわかる
数字で日々の行動状況をチェックできる。ただ言葉で「頑張って」「限界を突破」とかよりも実用的である
組織のメンバー全員が、互いの行動や組織の動きをチェックできる
メンバーの意思統一が図りやすくなる
メンバーに対する評価を公平に行えるようになる。
などですね。
KPIは、適切に導入して活用すれば、メンバーのモチベーションが向上して、組織全体のパフォーマンスを上げることが知られており、その目標数値の設定は極めて重要であるとされています。自社ホームページへのアクセス件数2,000件、ページへの新規登録者数500件、新規商談件数100件などのKPIが設定されれば、ある社員は自社のホームページを見やすいものにしようとするでしょうし、ある社員はホームページを見ていただけるとポイントを差し上げるという案を出すかもしれません。社員のアクションは取りやすいですよね。

企業経営では、以下の４つの分野についてKPIを設定しているそうです。
・学習と成長の視点（従業員のスキルアップ） 
・顧客の視点（お客様の感じるロイヤリティー、品質）
・社内ビジネス・プロセスの視点（業務内容の質） 
・財務の視点（売り上げと利益） 
だそうです。

このKPIを設定するにはいろいろな工夫が必要です。1つ目のポイントは、KPIの水準を高すぎず低すぎないレベルに設定する、つまり皆が適正と感じられる水準に設定することです。KPIが現実的でないほど高すぎると、メンバーのモチベーションを下げてしまう可能性があります。場合によっては、表面的にKPIを達成するために不正な数字操作に走ってしまうメンバーが出てくる恐れもあるでしょう。逆にKPIが低すぎると、特に努力せずとも達成できてしまうため、緩みの原因となります。メンバーが受け入れられる範囲のKPI設定が必要です。さらにKPIは、経営上の最終的な目標達成指標である「KGI(Key　Goal Indicator)」と連動したものでなければ意味がありません。KGIが企業にとって最も重要な目標を指標化・数値化したものであるならば、KPIはKGIを達成するためのプロセスの良し悪しを判断するための指標になります。通常KGIは、可能な限り経営に関わる最上流の課題を指標として、当該のセクションや組織で担当する業務を加味して設定します。そのうえで、因果関係を持ち、数値的に予測可能な中間指標としてKPIを割り出し設定します。

2つ目のKPI設定のポイントは、誰にでも明らかで、違った解釈が生じる余地のない指標にすることです。たとえば「顧客訪問数30％アップ」だと、新規顧客なのか既存顧客なのか、2つを合わせたものなのか、いつの時点と比較して30％アップしていればよいのか、とチームによって解釈が変わる可能性があります。明確なKPIでないと、対策も明確にはなりません。

3つ目のKPI設定のポイントは、KPIを達成するためのステップを小分けにすることです。提示されるKPIは、得てして数字だけのことが多いものですが、メンバー一人ひとりがKPIにコミットできるように、達成に向けて誰が何をすればよいのか、具体化することが重要です。KPIの確実な達成を目標とするのなら、KPIをさらにブレイクダウンして、タスクレベルに落とし込む作業が不可欠です。

4つ目のポイントは、KPIがいつでも誰でも参照できるように配慮することです。提示された当初は意識できていても、しばらくするとKPIに対する意識は薄れていきます。どのメンバーからも見える位置にKPIが掲示されていると、当事者意識を忘れずに業務に取り組めるものです。

どの分野でも大変ですよね。病院でも最近KPI、KGIを設定する方向で進んでおります。